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ナウいマスクの作り方 [ナウシカマスク]

 実際に使えるマスクのコンセプトは下記の3点です。
 1.ナウいマスクであること
 2.フィルタは不織布マスク1/3程度で済むこと(1枚で3回使えるのでお得!)
 3.3Dプリンタがあればそこそこ簡単に作れること

 まず、マスクのボディを作ります。
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 下記リンクに筆者が寝る間を惜しみ仕事をさぼって捻出した時間で設計したマスクの3Dデータがあります。STL形式のデータなので、最近はどこのご家庭にもある3Dプリンタにデータ突っ込んで部品をプリントすれば材料は揃います。
https://gallery.autodesk.com/projects/mask-7
表示される左から2つ目までの縦長のおにぎり型をしたデータは1つずつ、それ以外は2つずつ出力してください。

 ちなみに3Dプリンタは最近いろいろ製品が出て価格も下がってきたので身近になりました。筆者が最初に買ったのは自分で簡単に組み立てるタイプの15000円ぐらいのものでしたが、意外と普通にプリントできます。
 最近はほぼ組立済みで金属フレームでしっかりとした作りのAnycubic MEGA-Sという機種の3Dプリンタを使っています。こちらはだいたい4万円ぐらいです。材料のPLA樹脂のフィラメントが1㎏ぐらいで2000円弱で、今回のマスクを作るのに50g使う程度なので今回の材料費だけなら100円ぐらいです。




 一番大きなパーツには、3Dプリンタで出力するために材料の支えとなるサポート材をつけています。出力し終わったら周りの薄い壁のようなサポート材の部分は取り外して構いません。
 下の写真は3Dプリンタの調整をさぼったのでサポート材が崩れた感じですが、まあ、それでもちゃんと出力できたので良しとします。
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 出力したマスク本体のサポート材を取り外し、バリのような部分があればカッターナイフなどで切り取り整えます。
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 吸排気の逆止弁は、薄い板で作ります。公開している3Dデータにも、0.2mm厚の円形のパーツをつけています。PLA樹脂は、0.2mm程度で出力するとある程度柔軟性がありますので意外と弁として使うことができます。
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 吸気口に取り付けるコネクタの円形パーツに、弁をはめ込むと逆止弁の完成です。中心の穴は直径3mmのネジを通せるようになっています。
 ただ、3Dプリンタで出力したPLA樹脂の弁はゴムなどに比べると硬いため、息をするときに多少抵抗を感じるかもしれません。その場合は、薄いビニールシートや書類を入れるクリアケースなどを使って直径35mm程度の円板を作って弁として使ってください。
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 おにぎり型の排気側の弁のための内側の板にも、板の外側に丸い弁をつけて、マスク本体のボディにネジ止めします。
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 その後、マスク本体のボディ側面に空いた穴の内側から、先に弁を取り付けた円形パーツを差し込みます。
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 多少の余裕を持たせてモデルを作っていますので、楽に差し込めるはずです。逆に余裕がありすぎる場合は、接着剤やパテなどで固定してください。
 この状態で、側面の吸気口に40mm角に切った不織布マスクを張って排気口のコネクタ(少し潰れた円筒形のパーツ)をはめ込むとマスクの機能が完成です。
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 顔との密着を高めるために、マスクの周りにクッション素材を張り付けるとなおよいです。型紙にもクッション素材用の型を入れていますのでその型紙に合わせてクッション素材を切り抜いて、マスクの口の周りに接着してください。
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 そのままでもゴムひもを下の写真のように通すと耳と首にかけて装着できるようになります。
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 マスクの外側に布などを張り付けると、より見た目がナウいマスクになります。
 型紙をPDFにしました。
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 ダウンロードしてA4用紙にプリントすれば、その原寸通りで型紙として使用できるはずです。
 ナウいマスクの外装、バンド用の型紙→http://www002.upp.so-net.ne.jp/degochi/nausiccamask_katagami.pdf

 型紙に従い布を切り出して、縫ったり適当に接着剤でマスクに張り付けると見た目がそれっぽくなります。
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 完成図は下記写真です。
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 長くなりましたが、マスクの自作方法を示しました。
 このような形で個人が好きなマスクを作って使う文化が浸透すると、SF映画の世界みたいになると思います。
 また、このマスクを作ることで感染症を防げるかというと、マスク自体には素人が作るものなので防護の程度は知れていますが、このマスクを作っている間は家に引きこもることになるので感染症の拡散防止に役立つんじゃないんでしょうか。
 上記の適当なコメントでわかると思いますが、筆者はものすごく適当なので、各自、本記事を参考にするかしないかはご判断お任せ致します。


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ナウシカマスクの製作04 [ナウシカマスク]

 フルスクラッチで風の谷のナウシカに出てくるマスクを作りにあたり、まずあの形の意味を考えました。

 特徴的なのは横から出ている房と正面の凹みです。
 マスクなので当然、外気をフィルタなどで浄化して吸気し、排気する際は外気の流入を防ぐために逆止弁などで一方的に排気できるようにしなければなりません。
 房と凹みはそれぞれ吸気と排気の経路として用意されているものと考えました。吸気を効率的に行うために2系統用意するというのはリーズナブルな考えなので、左右についている2つの房が吸気側と結論しました。

 それでは吸気側を房にする必要性は何でしょうか。
 腐海の森に群生する瘴気を吐き出す巨大な菌類は胞子を出します。瘴気は毒ガスのようなものでそれを吸着するフィルタがマスクに内蔵されていると思います。ただそのフィルタは細かいため直接外気にさらされると一緒に浮遊している胞子やほこりなどの微粒子で目詰まりを起こして、すぐに使えなくなってしまいます。
 そこで比較的目の粗い布のようなものを1次フィルタとして用意して、内部のフィルタの目詰まりを防止する構造となっていることが予想されます。
 1次フィルタは比較的大きめの不純物をとらえるので、汚れやすいです。これが固定式だと大きめの胞子やほこりもすぐに累積してしまい目詰まりを起こします。
 この1次フィルタが風になびく房のような形になっていると、房がたなびくたびに表面の大きな胞子やほこりが振り払われて落ちるため、目詰まりが起きにくくなります。
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 正面の凹みは排気用の穴と考えられます。
 排気は先に述べたように外気が逆流しないように逆止弁になっている必要があります。逆止弁は排気の抵抗にならないよう、柔らかいゴム板などを使います。このように逆止弁は柔らかい素材なので、マスクの外側に露出していると外からダメージを受けて破損するなどのリスクがあります。
 そのため、逆止弁をガードしつつ、排気はできるように排気側は2層構造になっていると思われます。

 ではなぜ排気の穴が2つあるのか、という疑問を持ちました。
 その疑問は冬場に実際に普通のマスクを着けて、メガネをかけたときに分かりました。自分の吐く息でメガネが曇ったり、マスクの内側に結露した水が付くのです。
 吐く息がマスクをした自分の視界側に噴出さないように、排気は下方向に導いた方が良いです。
 ただ、穴が1つだけだとどうしても自分の吐く暖かい息のために熱がこもり、結露してマスクが水浸しになってしまいます。そこで穴を2つにして、自分の吐く息が作る流れに引かれる形で外気も取り入れて熱がこもりにくく、結露しにくくすることを狙います。

 結露はフィルタの目詰まりの原因にもなりますので、吸気側に排気が行かないように吸気側にも逆止弁をつけて自分の吐いた息が吸気フィルタに当たらないようにする工夫も必要になります。

 このように様々な実用的な理由により、ナウシカマスクの構造や形は決定されているのだと妄想しました(ここまで脳内で10秒)

 ということで、上記を考慮したナウシカマスクの作り方を記録します。
 製作には3Dプリンタを使います。よりそれらしい見た目にするために、布などを切り貼り縫いできればなおベストです。
 が、なくてもゴムひもだけで装着できるように設計しましたので、もし作りたい方がいたらご参考まで(というか、自分の工作の備忘録として書いています)

 前置き長いな。つぎこそ製作手順とデータ、形紙をアップします。夜までにはアップできるよう頑張ります。はい。
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ナウシカマスクの製作03 [ナウシカマスク]

 9年ぶりのナウシカマスク製作記事の更新とか、どれだけ頭の中が成長していないかという感じではありますが、現時点の技術レベルで作った製作記録を残します。

 最初は3M社製の防塵マスクがあったので、それをベースに外装をまねる程度のお手軽さでスタートしました。
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 ざっくりマスクの型紙を作り、EVA樹脂のような柔らかいサンペルカという素材を切り出して瞬間接着剤で張り合わせて外装を作りました。
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 3Mのマスクは左右に取り付ける防塵フィルタが大きいので、接続部分のコネクタを3Dプリンタで作って不織布マスクを切って取り付けられるようにしました。
 こうすることによって不織布マスクを3回分に分けて使えるようになります。
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 吸気部分のコネクタに布で房を付けてマスクにはめると、ナウシカマスクのような見た目になります。
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 3M製マスクをベースにしているのでフィット感と使用感はとても良いのですが、やや大きいのが不格好です。

 ですので、全部自分で作ってみることにしました。
 ちょっと前置きが長くなったので記事はここで分割。
 フルスクラッチで作るナウシカマスク製作記、次の回にまとめます。

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